蜂の巣の自力駆除を決意したなら、その成否とあなたの安全は「いかに肌の露出をなくし、蜂の攻撃から身を守るか」にかかっています。専用の防護服を購入するのが最も安全ですが、高価で手に入りにくい場合もあります。そこで、身の回りにあるものを活用して、可能な限り安全性を高めるための自作防護服の作り方を解説します。ただし、これはあくまで応急的なものであり、完璧な安全を保証するものではないことを肝に銘じてください。まず、服装の基本は「白」です。蜂、特にスズメバチは黒いものを敵と認識して攻撃してくる習性があります。そのため、上下ともに白や黄色など、明るい色の服を選びます。素材は、蜂の針が貫通しにくい、厚手のものを選びましょう。作業用のカッパやレインウェアは、表面が滑らかで蜂がとまりにくく、防水性があるため薬剤からも体を守れるので最適です。その下に、厚手の長袖シャツやトレーナー、長ズボンを重ね着して、防御層を厚くします。次に、最も重要な頭部の防御です。顔や首は最も狙われやすい部位です。養蜂家が使うような、網付きの帽子があればベストですが、なければヘルメットや厚手の帽子をかぶり、その上から目の細かい洗濯ネットなどを二重にして被り、首元でしっかりと服の中に入れ込みます。視界の確保と防御を両立させるため、防塵ゴーグルやスキー用のゴーグルを着用しましょう。手元は、厚手のゴム手袋や革手袋を装着します。軍手は編み目から針が通る可能性があるので避けるべきです。手袋と袖の間に隙間ができないよう、袖口をガムテープでぐるぐる巻きにして完全に塞ぎます。足元は、長靴が最適です。ズボンの裾を長靴の中に入れ、同様にガムテープで隙間を塞ぎます。首元には、白いタオルを何重にも巻いて、首と服の襟の隙間をなくします。全身を鏡で見て、少しでも肌が露出している部分がないか、隙間がないかを徹底的にチェックします。この厳重すぎるほどの装備こそが、あなたを蜂の猛攻から守る唯一の鎧となるのです。