大事な予定がある日に限って、鼻の頭や頬の真ん中など、顔の一番目立つ場所を虫に刺されてしまった。そんな絶望的な状況に陥った時、女性にとって最後の砦となるのが「メイクによるカバー術」です。しかし、炎症を起こしているデリケートな肌に、やみくもにファンデーションを塗り重ねるのは、症状を悪化させ、治りを遅らせる原因となりかねません。虫刺されを上手に隠しつつ、肌への負担を最小限に抑えるためには、いくつかの重要なポイントと手順があります。まず、大前提として、水ぶくれができていたり、傷になってジクジクしていたりする状態の肌に、メイクをすることは絶対に避けてください。細菌が入り込み、さらに悪化する可能性があります。メイクでカバーできるのは、赤みや腫れが少し残っている、あるいは治りかけの色素沈着の状態からです。STEP1は、「スキンケアと冷却」です。メイクの前に、まずは低刺激の化粧水で肌を優しく整え、刺された部分を冷たいコットンなどで軽く冷やして、赤みを少しでも落ち着かせます。STEP2は、「コントロールカラー」の活用です。虫刺されの赤みを、ファンデーションだけで隠そうとすると、厚塗りになってしまい、かえって目立ってしまいます。ここで役立つのが、赤みの補色である「グリーン」のコントロールカラーやコンシーラーです。赤みが気になる部分に、指先でごく少量をトントンと優しく叩き込むように乗せると、赤みが自然に中和されます。STEP3は、「コンシーラー」です。自分の肌色に合った、少し硬めのテクスチャーのコンシーラーを選び、これも指先か、清潔な小さなブラシを使って、カバーしたい部分にピンポイントで乗せ、周りの肌との境目を優しくぼかします。この時、こすらないように注意してください。最後に、上からパウダーファンデーションかフェイスパウダーを、パフで軽く押さえるようにして仕上げます。使用する化粧品は、できるだけ肌への負担が少ない、ミネラルコスメや敏感肌用の製品を選ぶと、より安心です。正しいテクニックを駆使すれば、憂鬱な虫刺されも、自信を持って乗り切ることができるのです。
メイクで隠せる?顔の虫刺されの上手なカバー術