ゲジ、ムカデ、ヤスデ。これらの「ゲジゲジみたいな虫」たちは、種類こそ違えど、共通して好む環境があります。それは、「暗くてジメジメした湿気の多い場所」です。つまり、彼らを家の中に呼び寄せないための最も根本的で効果的な対策は、家の内外からこの快適な環境を徹底的に排除することに尽きます。まず、家の中の湿気対策です。定期的な換気は基本中の基本です。特に、湿気がこもりやすい浴室や洗面所、キッチンは、使用後に必ず換気扇を回し、可能であれば24時間換気システムを常に稼働させておきましょう。梅雨の時期には、除湿機やエアコンのドライ機能を積極的に活用し、室内の湿度を常に60%以下に保つことを目指します。押し入れやクローゼット、シンク下などの閉鎖空間には、置き型の除湿剤を設置し、定期的に交換することも忘れてはなりません。次に、家の外の環境整備です。家の基礎周りは、彼らにとって格好の隠れ家や侵入口となります。家の周りに積んだままの植木鉢やプランター、朽ちかけた木材、落ち葉の吹き溜まりなどは、絶好の住処を提供してしまいます。これらの不要なものを片付け、雑草を定期的に刈り取り、風通しを良くすることが重要です。地面に直接置かれているものは、少し浮かせるなどして、湿気が溜まらないように工夫しましょう。そして、最後の砦が「侵入経路の封鎖」です。彼らは、私たちが想像もしないような小さな隙間から侵入してきます。エアコンの配管が壁を貫通する部分の隙間、窓サッシの歪み、基礎コンクリートのひび割れ、換気口の網の破れなど、家中の隙間を徹底的にチェックし、エアコンパテやコーキング剤で物理的に塞いでしまいます。これらの対策を施した上で、仕上げとして、家の基礎周りにぐるりと一周、帯状に撒くタイプの粉末状忌避剤を使用すると、強力な侵入防止バリアとなります。これらの地道な作業の積み重ねが、不快な多足生物たちが寄り付かない、安全で快適な住環境を作り上げるのです。
ゲジゲジみたいな虫を家に呼ばないための予防策