日常生活やレジャーの場面で、私たちは予期せぬ虫たちの洗礼を受けることがあります。特に注意しなければならないのは、刺された直後よりも数時間後に激しい痛みや水ぶくれを伴うタイプの虫です。代表的なものに、山間部や水辺に生息するブヨがいます。蚊よりも一回り小さいこの虫は、皮膚を噛み切って吸血するため、その際に注入される唾液成分が非常に強い炎症を引き起こします。刺された直後は点状の出血が見られる程度ですが、次第に激しい痒みと熱感に襲われ、翌日にはパンパンに張った水ぶくれができることが珍しくありません。また、都会の公園や庭先でも遭遇する可能性があるのがアオバアリガタハネカクシです。この虫は刺すのではなく、体液にペデリンという猛毒を含んでおり、肌の上を這っただけで線状に赤く腫れ、火傷のような水ぶくれを形成します。もし虫が止まった時に手で叩き潰してしまうと、広範囲に毒が広がり、症状が悪化します。万が一、これらの虫によるものと思われる水ぶくれができてしまった時の応急処置ガイドとして、まず覚えておいてほしいのは、患部を徹底的に冷やすことです。流水で毒素を洗い流した後、保冷剤や冷たい缶飲料などをタオルで包み、じっくりと冷やしてください。冷やすことで血管が収縮し、炎症の広がりを抑えるとともに、痒みの神経を沈静化させることができます。この時、間違っても毒を絞り出そうとして患部を強く揉んだり、無理に水ぶくれを破ったりしてはいけません。組織を傷つけ、余計に液体を溜め込む原因になります。次に、手元にステロイド軟膏がある場合は、速やかに塗布してください。虫刺され専用の強いランクの薬が望ましいですが、種類がわからない場合は自己判断で塗り続けるのではなく、その場しのぎの処置に留めましょう。また、水ぶくれが衣服と擦れて破れないよう、ゆったりとした服装に着替えるか、大きめのパッチで保護することも忘れないでください。山登りやキャンプなど、すぐに病院に行けない環境では、これらの初動対応がその後の経過を大きく左右します。救急セットには必ず、抗ヒスタミン剤入りの軟膏と、防水性の高い大きめの絆創膏、そしてポイズンリムーバーを備えておくと安心です。虫たちの生態を知り、彼らがどのような武器で攻撃してくるかを理解しておくことは、アウトドアを楽しむ大人としてのマナーでもあります。正しい知識を身につけ、万が一の時にも冷静に対処できる準備を整えておきましょう。
水ぶくれを作る毒虫の知識と万が一の応急処置ガイド