「たかが小さな虫、少し床に穴が開くだけだろう」とキクイムシ被害を軽く見ていると取り返しのつかない事態を招くことになります。彼らの体は小さいですがその食欲と繁殖力、そして時間をかけて進行する被害の蓄積は家の資産価値と安全性を確実に蝕んでいきます。放置した場合の最悪のシナリオ、それは「内装の崩壊」と「精神的な苦痛」です。キクイムシの幼虫は木材の内部を網の目のように食い荒らします。表面上は数個の穴しか見えなくても内部はスポンジ状にスカスカになっていることがよくあります。これがフローリングで起これば歩いた瞬間に床が抜け落ち怪我をする危険があります。壁の下地材や天井の吊り木が食害されれば壁紙が剥がれ落ちたり最悪の場合は天井が落下してきたりするリスクもあります。また家具の被害も深刻です。大切なタンスやベッド、ピアノなどが内部から破壊され使い物にならなくなります。そして被害は物理的なものだけではありません。毎年春になると家の中に大量の羽虫が飛び回るという状況は住人に強烈なストレスを与えます。寝ている間に顔に止まったり食事の中に落ちてきたりする不快感はノイローゼになりそうなほどの精神的苦痛をもたらします。さらに放置すれば成虫が家中の他の木材に次々と産卵し被害エリアが拡大していきます。最初は一部屋だけだったのが数年後には全部屋の床が穴だらけということも珍しくありません。こうなると部分的な補修では追いつかず床の全面張り替えや大規模なリフォームが必要となり数百万円規模の修繕費がかかることになります。家の売却を考えた際にも虫食い被害がある物件は資産価値が著しく低下し買い手がつかない原因となります。キクイムシはシロアリのように家を倒壊させるほどの構造的ダメージを与えることは稀ですが「住める家」としての機能と価値を奪うには十分な破壊力を持っています。放置して自然に収まることは絶対にありません。早期発見と早期対処こそが家という財産を守るための唯一の防衛策なのです。