ある日の掃除中、キッチンの隅にあるフローリングの上に、まるで小麦粉をこぼしたような細かな白い粉が溜まっているのに気づきました。最初は家族の誰かが料理中にこぼしたのだろうと思い、軽く拭き取って済ませていたのですが、翌朝になると再び同じ場所に粉が積もっているではありませんか。不審に思って周囲をよく観察してみると、棚の脚に近い床板に、針の先で突いたような小さな穴がいくつか開いているのを見つけました。これが、私とキクイムシとの長い戦いの始まりでした。調べてみると、この粉の正体はキクイムシという虫が木を食べて排出したカスだということが分かり、私は背筋が凍る思いがしました。シロアリの名前はよく聞いていましたが、このような小さな虫が家を蝕むとは想像もしていなかったからです。私が住んでいるのは築三年のまだ新しい家で、どこからそんな虫が入ってきたのか見当もつきませんでした。しかし、さらに調べを進めると、木材の内部にもともと卵が潜んでいるケースや、家具と一緒に持ち込んでしまうケースが多いことを知り、最近購入した輸入家具の周辺を重点的に点検することにしました。すると、案の定、その家具の裏側からも同様の木くずが大量に見つかりました。キクイムシは成虫になると外に飛び出しますが、その際に作る穴から粉が押し出されてくるのだそうです。つまり、粉が見つかったということは、既に内部で幼虫が成長しきって、次世代の成虫が活動を開始しているというサインなのです。私はすぐにホームセンターへ走り、ノズルが細いキクイムシ専用の殺虫剤を購入しました。小さな穴の一つ一つにノズルを差し込み、薬剤を注入する作業は非常に根気のいるものでしたが、大切な家を守るためには避けて通れない道でした。作業を始めてから数日間は新しい粉が出ないか不安で仕方ありませんでしたが、徹底的な処置の結果、ようやく木くずの発生を止めることができました。この経験から学んだのは、家の中に現れる小さな異変を決して見逃してはいけないということです。特に木製の製品から出る粉は、単なる汚れではなく、生きている虫の活動の証拠である可能性が高いのです。もし皆さんの家でも、不可解な白い粉を見つけたら、すぐに周囲の木材を点検してみてください。早めの対処が、被害を最小限に抑える唯一の方法なのです。
床の白い粉に気づいたら要注意です!