進学や就職を機に一人暮らしを始めたものの選んだ物件の洗濯機置き場がベランダや玄関先などの屋外だったというケースは少なくありません。家賃の安さや立地を優先した結果とはいえ実際に住み始めてから「外置き」の過酷な現実に直面し後悔する人は多いものです。その最大の悩みの種となるのが雨風による汚れや劣化ではなく夜な夜な活動するあの忌まわしき黒い害虫ゴキブリの存在です。なぜ彼らはわざわざ洗濯機に集まってくるのでしょうか。その理由はゴキブリが生きるために必要な「水」「餌」「隠れ家」「暖かさ」という四つの条件が外置きの洗濯機周りには完璧に揃っているからです。まず洗濯機は水を使う家電であり排水ホースや洗濯槽の裏側には常に水分や湿気が存在しています。乾燥を好まない彼らにとってこれほど潤沢な水源はありません。次に餌ですが洗濯機周りには洗剤のカスや衣類に付着していた皮脂汚れ食べこぼしのカスなどが蓄積しやすくこれが彼らにとってのご馳走となります。さらに洗濯機の構造自体が複雑でモーターや基盤の隙間、底面の空間など身を隠すのに最適な狭くて暗い場所が無数に存在します。そして極め付けは「熱」です。稼働直後のモーターやコンプレッサーは熱を持っており特に気温が下がる夜間や冬場には暖を取るための最高の暖房器具となるのです。このように外置きの洗濯機はゴキブリにとって砂漠の中のオアシスのような場所であり放置すれば格好の巣窟となってしまいます。対策の基本は何と言っても「彼らにとって居心地の悪い環境を作ること」に尽きます。まずは徹底的な清掃です。洗濯機の周りに溜まった落ち葉やゴミを取り除き排水溝のヌメリをハイターなどで除去して餌となる有機物をなくします。そして物理的な遮断も欠かせません。洗濯機を使用しない時は必ずカバーをかけ隙間を減らすことが重要です。しかし単にカバーをかけるだけでは不十分であり彼らはわずかな隙間からでも侵入してきます。ホースの接続部分や地面との接地面など侵入経路となり得る場所を一つずつ潰していく地道な作業こそが平和な洗濯ライフを取り戻すための第一歩となるのです。これから紹介する様々なテクニックを駆使してあなたの洗濯機を鉄壁の要塞へと変えていきましょう。