自宅の敷地内にアシナガバチの巣を見つけた時、スズメバチではないからと軽装で自力駆除を試みる人がいますがこれは極めて危険な行為です。アシナガバチの毒性や攻撃性を甘く見てはいけません。駆除作業は蜂にとって「巣の破壊」という最大級の攻撃であり彼らは死に物狂いで反撃してきます。この時、一匹だけでなく数十匹の蜂が一斉に襲いかかってくる集中攻撃のリスクがあります。毒の量が少ないアシナガバチでも数十箇所も刺されれば体内に入る毒の総量は致死量に近づき肝臓や腎臓への障害、そしてアナフィラキシーショックによる死亡リスクが跳ね上がります。したがって駆除を行う際は例えアシナガバチであってもプロ仕様の防護服かそれに準ずる厚手の衣服を着用することが必須です。白い雨合羽やスキーウェアなど表面がツルツルしていて針が通らない厚みのある素材を選び首元や袖口、足首などの隙間をガムテープで完全に塞ぐ必要があります。顔周りは防虫ネットを被りさらにゴーグルで目を守ります。蜂は黒い部分(目や髪の毛)や呼吸に含まれる二酸化炭素を目指して顔周辺を攻撃してくる傾向があるため頭部の防御は特に重要です。また駆除剤にはピレスロイド系のハチ専用スプレーを使用しますが噴射した瞬間に蜂が飛び出してくるため風上から3メートル以上の距離を保って使用します。もし巣が大きく成長している場合や高所にある場合、または狭い場所にあって逃げ道が確保できない場合は無理をせず専門の駆除業者に依頼するのが賢明です。数万円の駆除費用を惜しんで入院することになったり命を落としたりしては元も子もありません。業者であれば専用の防護服と強力な薬剤、そして経験に基づいた安全な手順で確実に駆除を行い戻り蜂対策までしてくれます。アシナガバチ駆除は「害虫退治」ではなく「毒物を持つ生物との戦闘」です。そのリスクを正しく評価し万全の装備と心構えで臨むかプロに任せる勇気を持つことが自分と家族の安全を守るための正しい選択なのです。
アシナガバチ駆除における毒のリスク管理と防護服の重要性