発生源対策と侵入防止策を施してもなお、家の周りに群がってくるしつこいユスリカの成虫。そんな時には、より積極的な「忌避」と「駆除」の手段を講じる必要があります。これらは対症療法ではありますが、日常生活の不快感を直接的に軽減するためには欠かせない、いわば最終防衛ラインです。まず、手軽で効果的なのが、空間にバリアを張る「忌避剤」の活用です。玄関のドアや窓枠、網戸といった、ユスリカが侵入しようとするポイントに、あらかじめスプレーしておくタイプの虫除け剤が非常に有効です。これらの製品には、虫が嫌がる成分が含まれており、吹き付けた場所にユスリカがとまるのを防ぎ、家の中への侵入意欲を削ぐ効果があります。効果は製品によって異なりますが、数週間から一ヶ月程度持続するものが多いので、定期的に使用しましょう。また、ベランダの物干し竿や玄関のドアノブなどに吊るしておくプレートタイプの忌避剤も、風に乗って薬剤が広がり、一定範囲の空間を虫が嫌うエリアにする効果が期待できます。より自然な方法を好む方には、「ハッカ油」を使った手作りスプレーもお勧めです。水100mlに対してハッカ油を10~20滴ほど混ぜるだけで、強力な天然の虫除けスプレーが完成します。網戸や玄関周りに吹き付けておくと、その清涼感のある香りでユスリカを遠ざけることができます。次に、積極的に捕獲・駆除する方法です。夜間に光に集まる習性を利用した「電撃殺虫器」や「UVライト式粘着捕虫器」は、特に多くのユスリカが発生する場所に設置すると、効果的に数を減らすことができます。ただし、その光がさらに遠くのユスリカを呼び寄せてしまう可能性もあるため、家の入り口から少し離れた場所に設置するのがコツです。もし家の中に侵入されてしまった場合は、掃除機で吸い取ってしまうのが最も手軽で衛生的です。壁にとまっているユスリカを潰すと壁が汚れてしまいますが、掃除機ならその心配もありません。これらの忌避・駆除対策は、あくまで補助的な手段です。発生源を断つという根本的な対策と組み合わせることで、初めてその真価を発揮することを忘れないでください。
群がるユスリカを寄せ付けない最終手段