家屋に被害をもたらすキクイムシにはいくつかの種類が存在しますがその代表格であり被害の9割以上を占めるのが「ヒラタキクイムシ」です。この名前の通り平べったい体をした体長3〜7ミリ程度の小さな甲虫で赤褐色から黒褐色をしています。彼らがターゲットにするのはデンプン質を多く含む広葉樹の辺材(白太)部分です。具体的にはラワン、ナラ、ケヤキ、タモ、竹などの導管が太い木材です。一方でマツやヒノキ、スギなどの針葉樹は導管が細く産卵管を挿し込みにくいためヒラタキクイムシの被害に遭うことはほとんどありません。これがヒラタキクイムシ対策の重要なポイントになります。つまり針葉樹だけで作られた家や家具であれば彼らの脅威に怯える必要は低いのです。しかし現代の住宅では合板の芯材やフローリングに広葉樹が多用されているため被害が多発しています。ヒラタキクイムシ以外にも「ナガシンクイムシ」や「シバンムシ」といった種類も木材を加害しますがこれらは古材や畳、乾燥食品などを食べることもあり生態が少し異なります。ヒラタキクイムシの特徴的な被害は前述の通り細かい粉状の木くずと直径1〜2ミリの脱出孔です。対策としては「薬剤注入」「薬剤塗布」に加えて「加熱処理」や「燻蒸処理」といった方法がありますが一般家庭で行うのは困難です。予防としては広葉樹の木材を使用する際に防虫処理済みのものを選ぶことや表面をニスや塗料でコーティングして産卵を防ぐことが有効です。またもし家具から発生した場合はその家具を廃棄するか専門業者による燻蒸処理(ガスで密閉して殺虫する)を行う必要があります。種類を特定することはプロでも虫体を見ないと難しい場合がありますが被害の様子(木くずの形状や木の種類)からある程度絞り込むことは可能です。敵を知れば対策も見えてきます。まずは自宅の床や家具が何の木でできているかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
木くずの正体はヒラタキクイムシ?種類別の特徴と対策