公園での外遊びが楽しい季節になると、親を悩ませるのが子どもの虫刺されトラブルです。特に小さな子どもの場合、大人が刺されても少し赤くなる程度の刺激で、パンパンに張った大きな水ぶくれになってしまうことがよくあります。朝は何ともなかったのに、お昼寝から起きたら足首に透明な風船のようなものができていて、驚いて病院へ駆け込むお母さんも少なくありません。これは乳幼児の皮膚が薄く、免疫系が未発達なために、虫の唾液成分に対して過剰な反応、いわゆる遅延型アレルギー反応が出やすいためです。子どもが虫に刺されて水ぶくれになってしまった時、親がまずすべきことは、子どもに「絶対に触らない、潰さない」という約束をさせることですが、これが最も難しい課題でもあります。子どもは痒みや違和感があると、どうしても手が出てしまい、無意識のうちに掻き壊してしまいます。水ぶくれが破れると、そこから黄色ブドウ球菌などの細菌が入り込み、とびひとなって全身に広がったり、ひどい場合には熱が出たりすることもあります。そのため、物理的なガードが非常に重要になります。病院で処方された軟膏を塗った後、少し大きめのガーゼで覆い、その上からネット包帯などで固定して、子どもの手が直接患部に触れないように工夫しましょう。また、爪を短く切っておくことも二次感染の予防に繋がります。痒みがひどい時は、保冷剤をタオルで包んで冷やしてあげると、一時的に感覚が麻痺して楽になります。家庭でのケアも大切ですが、水ぶくれができた時点で一度は皮膚科を受診することをお勧めします。市販の痒み止めでは太刀打ちできないほど炎症が強いことが多く、適切な強さのステロイド剤を正しく使うことが、結果として完治を早め、跡を残さないための近道になるからです。また、もし水ぶくれが破れてしまった時は、消毒液を何度も塗るのではなく、まずは水道水で優しく綺麗に洗い流すことを優先してください。最近の傷治療では「清潔と湿潤」が基本であり、強い消毒はかえって皮膚の再生を遅らせてしまうことがあるためです。夏の思い出が痛い記憶にならないよう、親が正しい知識を持って落ち着いて対処してあげることが、子どもの健やかな成長を支える一助となります。水ぶくれを乗り越えるたびに子どもの肌も少しずつ強くなっていくものですが、できることなら事前の虫除け対策を徹底し、快適な外遊びの時間を確保してあげたいものです。